▼アルゼンチン坊や▼

カタルーニャの、アルゼンチン坊や

機械仕掛けの、たまご坊や
ハードワーカー故に、なでがたなのね
裸足で育った故に、
スタミナがあるのね

アウェイには強いのね


恋愛には臆病なのね


B Loved
時間軸が仮に2004年であるとするならば 間違いなく魔法のiらんどのホームページを
所有していたであろう女と長い電話をする
水気の多い嘘と、汗でじんわり湿った耳の裏側に
女の将来への漠然とした不安と曖昧な、ラ・理想がこびりついている

空腹と精液と孤独がフォークダンスをしている様な十代の頃であるならば或いは、
『これは性交渉の好機ではないか?』と躍起になって、
必死になってエッヂの効いたコメントを模索するのであろうけれども

明日の朝9時にいかにすんなりタイムカードを切れるかが最も重要な今の自分にとって
女の着地点のない話は只々辛辣なだけに過ぎず
『この広い世界において、お前の所有物など何一つとして無いだろう。
只、お前自身が何とかしなければならない問題が二、三あるだけさ』と
内心では想いながら
俺は絶妙なタイミングで相槌を打つだけのマシーンに成り下がるのである

深夜二時、誰も居ない交差点、信号機が意味もなく色を変える

合掌、B型の女子

グラハムベルの発明と孫正義の企業努力によって、自分は今まさに不条理な睡眠妨害を被っている午前三時
何故だか急にこの女の全てを肯定してやりたい気分になって
『君なら大丈夫さ』『夢は必ず叶うよ』と何の根拠もない言葉を
あむあむと申し上げているのであるけれども

えてしてサブカルチャー好きの女はこう云った類の美辞麗句がとにかく嫌いで
自分は反ってその発言の根拠を糾弾されるハメになるのである
そんな中、唯一自分を肯定してくれる存在であったタバコの最後の一本は灰と化し(肺、溶かし)
やおら自分はコンビニエンスストアへ向かう羽目になる

何故だか解らないが、女には気付かれない様こそこそと
わざわざ持参したタバコの空き箱を、大変申し訳ないと云ったそぶりで店員に見せ
渡された不要なレシートを左手で遮り、俺は落胆の溜息を吐く

合掌、B型の女子

それからいくばくかの月日が流れた午前四時
繁華街を得体の知れない昂揚感と共に闊歩している俺の鼓膜に耳馴染みのある女の声がする
道行く殿方達に『がーるずばーいかがですか』と、何の抑揚もなく不貞腐れ
呪文の様に唱えている女の姿を見たのであった


ビレッジバンガードにいる女には気をつけろ
ブランド思考のない女には気をつけろ
肩だけを露出している女には気をつけろ
もてなすのが好きな女には気をつけろ
ちょっと絵の上手い女には気をつけろ
美男子が嫌いな女には気をつけろ
ベーシストが好きな女には気をつけろ

何故ならそいつはB型の女だからさ

 
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